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インテリジェンスとインフォメーションの違い

From:丸谷元人



まずはじめに、皆さん、インテリジェンスとインフォメーションの違いというのはお分かり でしょうか? インフォメーション情報、インテリジェンス情報と言いますが、インフォメー ションというのは形のないものをフォームをするということ。


物事をフォームしてインフォメー ション、まとめていくというインフォメーション=情報という意味だと思いますが、情報とイ ンテリジェンスの違いは、そこにちゃんとした分析とか知恵が入っているかということなんで すね。


例えばりんごが1個100円である。この店ではりんごが1個100円である。隣の店では120 円である。これは情報なんですが、それを見比べて、写真を見比べて実際に触ってみた結果、 120円のほうが高いけれども、こちらのほうが価値があるというふうな判断をするのがイン テリジェンスなんですね。


100円だけど120円のほうが高い。だから100円の方を買いましょ うという短絡的な判断をしてしまうのはインフォメーションにすぎないということです。と ころが、日本において、多くの日本人の「情報収集」というのは、ほとんどがインフォメー ションの寄せ集めではないかと思っています。


例えば政府が、邦人が誘拐されました、もしくは殺害されましたと発表するときに、必ず 「情報収集を命じました」というふうに言います。それしか言いようがないのは確かなんですが、情報収集というのは決してインフォメーションを集めるだけではなくて、そこでイン テリジェンスを行わなければ、やっている意味がないわけなんですね。


そして、じゃあ、そ の情報収集をしなさいといった結果、分析はどうしたんだというところまで本当にできてい たのかどうかというところが分からない。その分析の情報収集をした結果、何が得られたの かという成果も、ほとんど発表されることはないわけなんですね。


例えば、発生からもう何年も経ちましたが、シリアで日本人の方2人がイスラム国によっ て斬首され、殺されてしまうという痛ましい事件がありました。これに対して情報収集をし ましょうといったところで、では次に同じことが起こらないようにするにはどうすればいい のか。もしくは、なぜ起こってしまったのかというインテリジェンスにつながっていない。


結果として、ではシリアに行こうとする日本人のジャーナリストからパスポートを取り上 げようとか、トルコ国境からシリアに行こうとする日本人を止めましょうとか、その程度の 対策なんですね。イスラム国の連中がいったいどういう意図をもって、もしくはどういう人 たちで、なぜ斬首という発想になったのか。


この事件の根本は何なのかというインテリジェ ンスがわれわれにはないのです。恐らく政府も分からないのだと思いますが、そもそも分か れというのが、実は難しい、酷な話でもあります。


なので、今回の講義を通じて私が皆さんに本当にお伝えしたいことは、もう時代が完全に 変わってしまったということなんですね。そうして時代が変わってしまった中で、新しい状 況に対応するためには必ずいくつもの試行錯誤を伴います。


その中で、次に失敗しないため にどうするか、もしくはなぜ起こったのかというインテリジェンス、つまり分析の蓄積は非 常にこれから重要になってきます。

しかし、これにはなかなか、こうすべきという明確な答えというものはありません。あり ませんが、答えが出ないからといって、じゃあ、やらなくていいのかということではないん ですね。その中で、ある分析は失敗かもしれない。


ある分析は成功するかもしれない。そう いう実験を何度も重ねていって、日本政府とか、それから国民全体、社会全体、もしくは企 業の中で、それらを地道に蓄積していくこと。それが幾つもの試行錯誤を経て、組織や国家 政府の強さにつながっていくという風に考えています。


本当に最近「インテリジェンス」なる言葉がちまたにあふれ始めて、あたかも何かスパイ とか、何か「007」のような、派手でかっこいいものように思えますが、実は「インテリジェ ンス」というのは地道な作業で、地味な作業になります。


まず皆さんに心がけて欲しいのは、大手のTV・新聞などのメディアで与えられた報道を パッとすぐに信じ込まないこと。例えば私の場合、新聞の読み方でも、一面などにドーンと 大きく出てしまうような記事は、ざっと読みますけども、個人的にはあんまり深くは見ない んですね。それは、今この瞬間の社会もしくは世界のトレンドであろうとしているものであっ て、実際にその裏で起きている真の潮流とは直接関係がない可能性も高いわけなんです。


私はむしろ、紙面の中にある小さいベタ記事のほうを見るわけです。気をつけないと見逃 してしまうような小さな記事ですね。すると、例えばそれが1年後、2年後に非常に大きな意 味を持つということが多々あります。まずはそのようにニュース・情報を見ていくように心 がけていただくと、いろいろなものが逆に見え始めるのではないかと思います。

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